分別奮闘記 歌詞解釈

歌詞

君の夢がゴミと化して はや幾星霜

捨ててこそゴミでしょうと勇ましく

 

見るからにしぶとそうだ 不燃物だろう

指定された火曜日 ほっと一息

 

だけど 持ってかれてないぜ 紙が貼ってあるぜ

なになに「燃えるゴミは月曜日」

 

燃えるのか これ燃えるのか

燃え浅そうでも 燃えるのか

燃えますよ 灰にできますよ

あなたがそうしたくないだけなのでは

 

君の夢がゴミと化して はや幾星霜

同じ轍は踏まぬぞと勇ましく

 

明らかにでかいから 粗大ゴミだろう

これを捨てるためなら 金も払える

 

だけど 持ってかれてないぜ 紙が貼ってあるぜ

「普通のゴミはゴミ袋へ」

 

入るのか これ入るのか

小さな袋に 入るのか

入るでしょ それ3000個ぐらい

大きくあってほしいだけなのでは

 

できるのか 処理できるのか

そんなすぐ片付く ゴミなのか

ゴミなのか これゴミなのか

認めたくないけど違うのか

 

ゴミですよ それ邪魔ですよ

放っておいたら もはや公害

捨てないのなら違いますよ

持ち主がいるのなら夢ですよ

 

あの日からずっとずっと夢のままですよ

 

君のゴミが夢と化して はや幾星霜

燃やせなくて粗大で 味が出てきた なんてこともない

 

持ってかれてないぜ

 

 

パッと聞いただけでは

「夢は灰になる」「夢を大きいと思いたいんかもしれませんけど実はちっさいですよ」ってネガティブなことを言ったりもしてるけど最終的には「夢の大切さを歌った曲」と思うかもしれませんが、

 

もっと皮肉を込めて歌ってるんじゃないかな、と今の僕は思いました。

僕の解釈をお聞きください。

 

 

 

 

まず、登場人物が何人いるか、お考えください。

 

2人ですよね?

ここが違うとそもそも下記を読んでもちんぷんかんぷんになると思うので、

もし2人以外だと思う方がいらっしゃればコメント欄で教えてほしいです。

(収集業者を一人と数えるなら3人ですが。)

 

ではまず、歌詞を“地の文”、『主人公』、「もう一人」に分けたいと思います。

どうでもいいと思う人は次の引用まるまる飛ばしてください。

 

君の夢がゴミと化して はや幾星霜

『捨ててこそゴミでしょう』と勇ましく

 

『見るからにしぶとそうだ 不燃物だろう』

指定された火曜日 『ほっと一息』

 

だけど 持ってかれてないぜ 紙が貼ってあるぜ

『なになに【燃えるゴミは月曜日】』

 

『燃えるのか これ燃えるのか

燃え浅そうでも 燃えるのか』

「燃えますよ 灰にできますよ

あなたがそうしたくないだけなのでは」

 

君の夢がゴミと化して はや幾星霜

『同じ轍は踏まぬぞ』と勇ましく

 

『明らかにでかいから 粗大ゴミだろう

これを捨てるためなら 金も払える』

 

だけど 持ってかれてないぜ 紙が貼ってあるぜ

『【普通のゴミはゴミ袋へ】』

 

『入るのか これ入るのか

小さな袋に 入るのか』

「入るでしょ それ3000個ぐらい

大きくあってほしいだけなのでは」

 

『できるのか 処理できるのか

そんなすぐ片付く ゴミなのか』

『ゴミなのか これゴミなのか

認めたくないけど違うのか』

 

「ゴミですよ それ邪魔ですよ

放っておいたら もはや公害

捨てないのなら違いますよ

持ち主がいるのなら夢ですよ」

 

「あの日からずっとずっと夢のままですよ」

 

君のゴミが夢と化して はや幾星霜

燃やせなくて粗大で 味が出てきたなんてこともない

 

持ってかれてないぜ

 

 

というような構成であるように思いました。

 

 

最大の分岐点は

認めたくないけど違うのか

です。

 

以前の僕はこの曲を、

「「ゴミだけどーー!!ゴミじゃなかったーー!!」」

「「夢じゃないと思ってたけどーー!!夢だったーー!!」」

ぐらいにしか捉えてませんでしたが(さすがに浅はか過ぎたと思います。)

 

しかし

認めたくないけど違うのか

をちゃんと認識するとまた違う解釈になるなと考えを改めました。

そしてそれを発端として「この歌詞意外と深いこといってんじゃない?」って思う部分がいくつか発見できました。

 

もうほぼ解釈の全体像を伝えてたようなもんですね。

 

ですが一応段階を踏んだ文章にまとめて見ようと思います。

 

 

 

第一段階(歌詞ぱっと見)

 

「「夢じゃないと思ってたけどーー!!夢だったーー!!」」わぁ!!

 

以前まではこの程度の認識でした。ていうかなんなら『かさぶたぶたぶ』とかとおんなじような位置の曲だと思ってました。

(かさぶたぶたぶ』ってなんぞや??と思う人もいるかもしれません。今はまだ「ふーん、『かさぶたぶたぶ』って曲があるんやなぁ」ぐらいで置いておいてください。置いておいて老いてください。老いた証拠で。もちろん『かさぶたぶたぶ』もオススメしたい曲ではあるんですが、オススメすることもはばかられる理由があるんです。また違う記事で投稿します。)

 

 

第二段階

認めたくないけど違うのか”は

(ゴミじゃないことを)認めたくない けど 違うのか  (つまりそれは夢)

すなわち、

『ゴミだと思っていたかったけど、ゴミじゃなかった。ずっと夢でしかなかったんだ

となります。

重要なのは、主人公としては“夢であってほしくなかった”というところです。

捨てようとしてたんだもの。ゴミと化したって思ってたんだもの。

 

しかし夢であってほしくなかったものは実はずっと夢のままでしたということに気づいてしまったのです。そしてこれからも夢であり続けてします。

 

つまり、

主人公は夢を捨てたい(夢を諦めたい)と思っているにもかかわらず自分の意思とは裏腹に、捨てることが叶わないという生き殺しのような状態になってしまっている、という歌のように見えました。

 

とても悲しくないですか?

『才悩人応援歌』でも

大切な夢があった事 今じゃもう忘れたいのは

それを本当に叶えても金にならないから

 や、

世界のための自分じゃない 誰かのための自分じゃない

得意なことがあった事 大切な夢があったこと

 

 

と歌われています。

この曲についてもまた別の記事で書きますね。

こうやって未来の自分に仕事を振っていく訳です。

そして未来の僕は

過去からの声は何も知らないから

勝手なことばかり それはわかってる

 

と思う訳です。さてバンプファンのみなさん、何の曲の歌詞でしょうか。

 

 

コホン。

ちょっと話が脱線しました。

 

 

第三段階

歌詞の序盤、

主人公は『これはゴミである』と思い、捨てようと2回試みています。

このとき、自分のゴミに『しぶとそう』とか『でかい』とか、全く見当違いな印象を受けています。

実際にはそのゴミは灰にできるし小さな袋に3000個も入るようなサイズ感なのに。

俺の夢はこんなにしぶといんだ

俺はこんなにしぶといものを捨てれちゃうんだ、

俺の夢はこんなに大きいんだ、

俺はこんな大きなゴミを捨てれちゃうんだぜ

もう虚勢を張っているようにしか見えません。痛々しい。

 

そして、捨ててみるわけです。

曜日に不燃物としてゴミに出したけど、実際はゴミは可燃物でしたし、可燃物の回収は曜日でした。

一番遠い曜日の回収なんですね。

しかし、みなさんがそれぞれどの地域にお住まいなのかはわかりませんけど、一般的に可燃物の回収が週に一回なんてことはなくないですか?せめて週2回じゃないですか?

つまり現実的に考えて、次の可燃物の回収が一番遠い曜日になるわけなんかないんですよ。現実的には。

そして藤くんが適当に曜日を決めてると思えません。

どう感じるかはそれぞれのリスナー次第だと思いますが、少なくとも何か感じ取ってほしいと思って藤くんが用意した仕掛けであることは間違いないと思います。

執行猶予のようにもとれますし、これからの歌詞の続き(結局捨てれないていうオチ)を示唆してるようにもとれます。

そして火曜日に出してるのもなにか狙ってる感がありありです。火の曜日ですし。可燃物。

 

ゴミ捨て一回目は失敗に終わりました。

そして2回目に挑む訳です。

『同じ轍は踏まぬぞ』と。

“轍(てつ)”とは、訓読みで「わだち」といい、草原や砂利道とうに見られる“車輪の通った跡”のことです。“同じ轍を踏む”という慣用句は“一度した失敗を再び繰り返す”という意味があります。

『同じ轍は踏まぬぞ』ってのは「もう失敗しねぇ!」って態度ってことですね。

 

そして立てたフラグをちゃんと回収してくれます。まんまと同じ轍を踏みます。フラグは回収されても、ゴミは回収されません。

粗大ゴミとして出したものの回収されず、「袋に入れて捨てろ」と叱られます。

 

しかし待っていただきたい。

なんでこいつは粗大ゴミで出そうとしたんでしょう。“月曜日まで待ってたら不燃物として捨てれるのに!”

全力で同じ轍を踏みにいってる。

 

となるともうみなさん思うことは一つでしょう。

「つまりおまえは捨てる捨てるっていいながら結局捨てるつもりなんかねぇんじゃねぇの」

 

そう、

深層心理では捨てるつもりなんか全くなかったんです。だからこそ、

持ち主がいるのなら夢ですよ

につながるのです。

 

ラスト。

 

ゴミだと思っていたものは、結局自分が持ち主だったので夢になりました。

夢になったっていうかずっと夢のままだったんですけど。持ち主であることを放棄できてないから。夢であり続けていました。

でもだからってこれまでの時間が美化されるわけでもなければ、これまでの時間で美化されるものでもない。

持っておくだけだから膨らみもしないし、そして味が出る訳でもない。

ただ、夢。ずっと、その夢のまま。

 

持ってかれてないぜ。

 

 

というのが今の僕の解釈でした。

 

この解釈をもってして聞くと

間奏で流れるシャウトや、「持ってかれてないぜ」の連呼も、

迷っている様子や苦悩している様子、逡巡している様子にも聞こえてきます。

楽しい。

 

 

夢についてはほかにもいろいろ歌われております。

『才悩人応援歌』『firefly』ぱっと思い浮かぶのはそれくらいですけどほかにもあるかもしれません。

夢って基本的に未来のことですから必然的に時間軸にまつわる描写も関わってきます。そして藤くんの時間軸の捉え方はまぁまぁぶっ飛んでいるので(pinkie』とか『時空かくれんぼ』とか)いろいろ慣れが必要ですのでその辺またおいおい。

 また未来に投げます。

 

 

 

あと、余談なんですが

この曲のタイトルって

『ぶんべつ奮闘記』なんですか?

『ふんべつ奮闘記』なんですか?

ぶんべつならゴミ分別を奮闘してるように感じますし、

ふんべつなら夢がいるかいらないかを分別してるように感じます。

どっちなんでしょう。

知りたくないんで検索しませんけど。

 

 

 

長くなりました。

ご精読ありがとうございました。